はじめに

 日本の著作権法は、日本では珍しく(?)世界の最先端を行く法律です。現在の著作権法に改正されて三十年余りの月日が経ち、世の中の移り変わりと共に改正を繰り返しています。
 私は以前、必要に迫られ著作権法を知り、創作家の視点でこの法律を見つめ、Webの広まりと共に啓蒙を行いその役割を終えました。今ではインターネットで最新の条文が参照でき、国会中継も閲覧でき、数多くの専門家が疑問に答え、昔とは比べものにならないほどに著作権法を理解する環境が整っていると思います。

 ですが、最近、著作権法のある原則が崩されるような改正が数多く見受けられるようになったと感じています。
 旧著作権法から構造的に練り直され、文化の発展と創作者の利益をバランスよく配分された条文が、今や醜くも継ぎ接ぎだらけとなり倒れんばかりに傾いたものになってしまったと思わざるを得ません。

 文化とは何か、という命題が見失われつつある今、著作権法を新しく作り直す時期に来ているのではないかと考えています。このブログでは現状の法改正や世情を分析しつつ、新しい著作権法を模索する場として進めていくつもりです。